アイデンティティと言えば真っ先に思い浮かぶのは間違いなく宗教だが、近代科学の発展により宗教は駆逐された。そこでアイデンティティは現代では崩壊した。しかし、人間にはアイデンティティとしての宗教や神話は必要なのである。ヨーロッパでは長いことキリスト教が支配的でヨーロッパ人はキリスト教にアイデンティファイして自我形成をしてたわけだが、キリスト教が悪質な宗教ということもあって近代科学の発展に伴いキリスト教の幻想が明らかになりヨーロッパ人のキリスト教に対する信仰は廃れた。近代科学は宗教だけでなく神話も駆逐したがそれに伴いヨーロッパ人の自我は崩壊とはいかなくても混乱してそれまで日本人にしかいないと言われてた対人恐怖症の人間が出てきた。人間はアイデンティティを失うと途端に弱くなるのである。現代では宗教は信じることは出来ないが何かにアイデンティファイして自我形成をする必要があるある為にアイデンティファイの対象が宗教や神話からロックやアートや小説や哲学等に移された。現代人のアイデンティファイの対象はもはや宗教や神話ではないが他のものにアイデンティファイしてることでは同じである。アイデンティファイの対象は信仰の対象であり、はっきしいって宗教と言っても間違いなく現代人の宗教はロックやアートや小説や哲学になった。その証拠に例えばロックにアイデンティファイしてる人間はロックを否定されると途端にアイデンティティ的に混乱して思考が一元化される。思考が一元化されたことは絶対的な拠り所が欲しいからである。一元化とは一神教だが一神教が生まれた背景にアイデンティティ的混乱があったのは疑いの余地はない。アイデンティティ的に混乱してるから究極の拠り所としての唯一絶対神が要請されたのである。ロックにアイデンティファイしてるのはロック信仰と言っても間違いなく、当人はロックと宗教は違うと否定したいだろうが、信仰の対象が宗教からロックに以降してるだけのことで宗教であるに過ぎない。その証拠にロックを信じてないとは口が裂けても言えないだろう。そして、ロックを否定されると思考が一元化されてロックが全てになりロック以外はいらないと言い出したり、ロック以外は大したことじゃないと言い出したのだからロック信仰が崩れてアイデンティティ的に混乱したに過ぎない。ややもすれば発狂するが、そこまでは混乱してはいなかったのだろう。従って宗教は駆逐されたが人間にはアイデンティティの根拠となるべき宗教或いは、宗教的なものが必要なのである。ヨーロッパ人はキリスト教にかなり痛めつけられた為に宗教に嫌気が刺してキリスト教から脱したが、キリスト教を失うとアイデンティティ的に混乱してしまった。そこで、宗教は信じることが出来ないから他のものが信仰の対象となり他のものがアイデンティファイの対象となった。それである程度は自我の安定は勝ち得たが最近ではアイデンティティそのものが否定されてきている。アイデンティティの根拠となるものには当然のように禁欲的要素はあるが、近代化に伴いアイデンティティの根拠としての他のアイデンティファイの対象から禁欲的要素はなくなり、昔はその証拠にセックス、ドラッグ、ロックンロール等と言われた。しかし、ロックンロールは自我の形成には役にたった。その証拠にロックンロールにアイデンティファイして自我形成した人間は多く、中でもパンクロックにアイデンティファイした人間は多いだろう。パンクロックに出会い人生が変わった人間は多いのだからアイデンティティの対象がパンクロックだったに過ぎない。しかし、現代では何かにアイデンティファイすること自体が否定されて自我形成の為に昔の人はロックとか小説等を読んだが現代人はそんなことをせずに、現代人が関心あるのは自らの欲望を満たすことだけである。現代は資本主義社会だから欲望を満たすことが中心になるのは当然だがなぜアイデンティティが否定されたのかである。それは資本主義社会だからである。資本主義では重要なのは金を稼ぐことであり、宗教には禁欲的な要素があるが資本主義社会ではそれが邪魔であるからアイデンティティ的なものは否定されたのである。現代人はそれで混乱してしまったかと言うと大して混乱はしてないがかなり堕落したのは事実であろう。ティックトックとかYou Tubeとか馬鹿ばかりだし、中高生の堕落ぶりは酷い。このままだと日本は滅びそうだが、はっきしいって知ったこっちゃない。勝手に自滅するだけのことだろう。今の女子高生や女子中学生は鼻ピアスとか口ピアスをしてるがこれは一種の自己主張であり、ある種のアイデンティティなのでる。自己主張だから、自分を他人に見せたい衝動があり、その衝動がアイデンティティ的なものであることは疑いの余地はない。そういう女子中高生が出てきたのは私が高校生の頃であり、当時はミニ・スカート、茶髪、ルーズソックス、ピアス等が流行っており、自分の下着を売るブルセラショップがあったが、今から25年前であり、随分前のことだが、アイデンティティ的なものが変化したのが25年前なのであろう。それで時代が変わり過激な女子中学生や女子高生が出てきた。私は当時、女子中学生に先輩やりましょうと言われたことがあるが、当時から既に性は娯楽と化しており、性に纏わる罪悪感や背徳感はなかった。なぜ、性が娯楽と化したかは、性と愛慾が分離したからである。今までは性と愛慾は一致してたが、キリスト教が性を敵視して童貞を理想としたからヨーロッパ人は性を楽しめなくその反動から性開放が進み現代では性は娯楽と化して性と愛慾は分離したのである。そんな女子高生はかなり刺戟的であり、みんな、ミニ・スカートで茶髪で売春してる女子高生がいたり、付き合いたくて仕方がなかった。しかし、アイデンティティ的なもの自体が滅びかかってる。そして、欲望だけが残った。アイデンティティ的なものはファッションだけであり、ギャルファッション、タトゥー、ピアスだけであり、少なくとも日本では宗教は死んだ。世界で唯一まともな宗教は仏教だけだが、私は仏教の復権を考えているが、現代人はとりあえず仏教は受け入れないだろう。しかし、どう合理的に考えても仏教以外にまともな宗教はないのである。仏教では何も信じるな、何にも依拠するなと教えるから、当然、仏教を信じてはいけないし、仏教に依拠してもいけない。しかし、これが仏教の教えだから依拠しつつ依拠しないという矛盾した言い方になってしまう。そして、これこそが最強のアイデンティティなのである。アイデンティティとは何かに依拠することたが何も依拠しないことこそ至高なのである。これは現代の常識とは真逆だが真理である。何かに依拠すると当然その依拠の対象は崇高なものとなり、他を差別しがちである。実際に何が優れてるかは人それぞれとしか言いようがないのに、ロックが一番とか笑いが一番とか言い出す人間が出てくるのだから困ったものである。何が一番かは人によるとしか言いようがないが、自分が依拠してるものが一番なのは典型的な悪しき一神教である。一神教がいかにはた迷惑かは歴史が示すところである。一神教が滅ぼべば世界は平和になるだろう。しかし、人間は弱く馬鹿だから絶対的な拠り所が必要なのだろう。すなわち人間は弱いから一神教、或いは一神教的なものが要請されて人間を苦しめてると言えよう。どうやったら一神教の信仰が廃れるかはかなり難しい問題である。答えは人間が強くなればいいのである。孤独に耐えれる強靭な精神があれば一神教は必要ないだろう。しかし、今は無理だろう。だから、何かを信じればいい。私は何も信じないし、何も依拠しない。ろくなことにならないかである。皆が強くなれば問題ないが人間には信仰の対象が必要であろう。だから、仏教なのである。今は和魂洋才だからヨーロッパが崇拝されてるが馬鹿の極みである。ヨーロッパよりも東洋の方が遥かに優れてる。ヨーロッパが今まで何をしてきたか。世界中を侵略して多くの人間を殺したではないか。なのにヨーロッパを信仰するとか馬鹿である。仏教では人間だけでなく自然や動物も愛せと教えるがキリスト教では愛すのは人間のみであり、選民思想が酷い。選民思想の始まりは一神教を発明したユダヤ人だが、キリスト教はユダヤ教を受け継いだに過ぎない。今はキリスト教徒が世界に24億もいて何であんなアホな思想を信じるのか不思議だが、精神科医のフロイドによれば人間が今よりも賢くなればキリスト教は滅ぶとのことだが、こういった言い方をする前提として人類はアホだと言う考えがある。実際にアホな生き物だからキリスト教を信じるのだが、日本人はキリスト教は信じてないが政治的にはかなりアホな民族である。日本を不幸にしてるだけの自民党を多くの国民が支持するのだからアホな民族である。政治的には欧米の方がまだ優れてるがしかし、欧米は今でも酷くて昔と変わらない。武器商人がいて金を稼ぐ為に戦争を引き起こし、日本も戦争に巻き込まれるだろう。諸悪の根源は一神教であり、欧米だが、今は一神教や欧米が信仰されてるし、日本でもそうである。解決策は人間が今よりも強くなるしかない。その為には何も信じるな、依拠するなということである。それしかないであろう。しかし、無理だろう。人間は本当に馬鹿だな。人間を超える人間、超人が誕生しないと何も解決出来ないだろう。終わり。
